静岡県浜松市のコンサルタントの専門家が揃う

NPO東海マネジメント研究会■■■■■■■■■

浜松地域を中心とした、経営・経済・財務・芸術・文化の研究者、実務家、が揃っています。

個人から企業の問題までを研究対象としています。

 

 2010年7月~12月(第76回~71回)

 発表者 : 浅沼 宏和

 第75回 2010年12月19日(日) 9:30~12:00

  現在の韓国事情  浅沼 宏和

 ≪概観≫
・人口4,800万人(約半数がソウル・仁川エリアに居住)
・2009年名目GDP8,300億ドル(日本50,700億ドル)
・1997年のアジア通貨危機以降、一人当たりGDPが急伸。10年で日本の3分の1から2分の1へ
・輸出部門(半導体・自動車)で近年自信を強めている。ただし、庶民の声は「景気のいいのは一部の大企業だけ」 ⇒好況感は社会全般には浸透していない。(ガイドさんの弁。「景気はとても悪い!」)
・李明博政権に代わり米国との協調外交路線へ転換。その結果、米国は韓国の原子力発電プラントがヨルダン・サウジアラビアでの受注に裏で手を貸したという見方がある。

≪韓国を代表するサムソンの勝ちパターン≫
・早くから新興国をきちんと「市場」として定義、その国の文化にあった地域密着型のモノづくりを徹底。
・人材教育を強化し、現地化を推進。⇒「地域専門家」の育成
・日本企業が強いと言われたブランド・マネジメントやアフターサービス分野も強化。世界的規模での消費者の認知度を高くする努力をした。
・サムソンの製品が新興国の大量生産・大量販売に見合うボリュームゾーンでそのシェアを拡大したのに対し、日本企業はその中心的シェアをとれなかった。
・商品開発について、サムソンは日本企業の開発した製品の中身をリバースエンジニアリングで徹底的に分析し、各国のニーズに応じて必要十分な機能だけを取り入れる商品化を徹底。

≪韓国雑感≫
・日本に比べ小さな国、ソウルは東京・上海に比べると随分見劣りする。
・自然が荒々しい。日本の景色のようなやさしさがない。気候は北海道と同じ感じ。
・交通渋滞ひどし。車はほとんどセダンで軽乗用車、バイク、自転車を見かけない。車の8割が「現代」。見栄を張ってセダンを買っているとのこと。日本車は全く見かけない。
・仁川空港からソウル市内に入るまで、ほとんど飲食店を見かけない。郊外は寂しい印象。
・不動産価格は高い。マンション中心。日本に比べてかなり広いらしい。平均年収からすると高めの物件を購入している。
・ソウル市内の雑居ビルの空室率高し。中小企業不況というガイドさんの話もある。
・エリートビジネスマンは東京で見かける人たちと大差がない。日本人と変わらない雰囲気。
・訪問先の各企業のもてなしが丁重。お茶、コーヒー、ジュース、茶菓子等非常に充実。手土産の資料やグッズなども。ソウル市の電子政府セクションでもお土産を貰った。
・町の活気はそれほどでもない。東京に遠く及ばない。
・学歴が全ての超学歴社会⇔科挙の影響。有名三大学SKY(ソウル・高麗・延世)に入学できるかどうかで人生が決まる。ここから財閥系企業などに入社できなければ落ちこぼれ。・地方では浦項工科大学、韓国科学技術院、釜山大学校などが有名。
・日本でかつて「四当五落」という言葉があったが、韓国ではSKY突破には睡眠3時間が限度とされている。文系は経済学部、理系は医学部が難易度高い。(法学部は法科大学院制度ができ消滅した)
・高学歴層の就職率が必ずしも高いわけではなく「学歴難民」が社会問題化している。海外留学が多いのも特徴。
・ガイドさんは「仕事を選ばなければいくらでもあるんだけどプライドや世間の目を考えると転身できない」という。
・サムソン、現代、他に白物家電のLGと小売・レジャーのロッテで経済の半分ぐらいまかなっているのではないかという印象。主要産業は1強100弱か。町を移動しているだけで上記の企業の関連情報が目に飛び込んでくる。
・貿易収支は黒字だが、核心技術・素材・部品産業を日本に依存しており約300億ドルの対日赤字。また大量生産産業における中国の追い上げという上下の「サンドイッチ現象」に悩まされている。
・かつては職業差別が甚だしかったため(現在はかなり改善)老舗店が極めて少ない。食堂・売店などの接客業がいやしめられていたため。

 

 2010年12月~7月(第76回~71回)

 発表者 : 村木則予

 第74回 2010年10月31日(日) 9:30~12:00

  ダイナミックBSC試論  村木 則予

 BSC(バランススコアカード)は経営戦略策定のフレームワークとして優れた特徴を持ち、財務、顧客、業務プロセス、人材の4つの視点の連携で考える戦略やアクションプランは納得感が高い。しかしながら、運用面では下記のような問題点が指摘されている。
・SWOT分析のマンネリ化
・クロスSWOT分析の限界
・戦略が業務改善にとどまりがち
・アクションプラン策定後の運用に工夫がいる。
本来、イノベーションを引き起こすはずのBSCが業務改善にとどまっているのは、その起点がSWOT分析という一般社員の現実感から引き離された"高尚"な手法であることも一因として考えられる。またSWOT分析自体、何度も繰り返すとマンネリ化してしまい、新たな発見を生みだしにくいという側面も否定できない。
人と組織の共生手法を探る観点からすると、BSCは経営戦略と人材を関連付けて考える点で期待される手法である。しかし現在、多くが採用している方法論では、人材が単なる経営戦略実現のための道具としてしかとらえられていない。
そこで、BSCの課題を解決し、人材を活かす新たなBSC導入手法として提示したのがダイナミックBSCである。具体的には下記のような手順で導入が可能ではないかと考えている。

実務面での利用に耐えられるよう今後詳細の検討を進めたい。

 

 第73回 2010年9月12日(日) 9:30~12:00

 発表者 : 藤田泰正

  浜松地域における産業構造変遷  藤田 泰正 

 浜松地域における産業構造の変遷
-バッタンからポンポンへ-
本発表は、産業用機械産業の史的分析を行うことにより、地域産業発展との相互関係を検討するものである。浜松地域は1950年代に始まる輸送用機器産業のめざましい発展と世界的な企業群が著名であるが、かつては繊維や楽器などが主な産業であった。当地域の特異性は、いくつかの産業が興亡を繰り返しながらも途切れることなく現在まで成長・発展が継続されてきたことにある。繊維や機械製品の大量生産にはすぐれた産業用機械が必要であり、当地域にはその供給者が常に存在したことが継続的発展要因の1つであると考えられる。具体的には、自動織機を主とする繊維機械技術が楽器産業と2輪車産業に与えた影響を中心に検討を行う。

 1800年代末から、織機の改良、開発を進める動きが日本全国で顕著となった。浜松地域においても、多くの先人達が努力を重ねた結果、1920年代には自動織機は実用化された。
また、力織機から自動織機へと進化する過程で木工製品であった織機は鉄工製品への変貌を遂げた。この理由は、部品を鉄に変換しなくては耐久性と高速性に追従できなかったためである。ここに、部品製作者である鍛冶屋が鉄工所へと進化する時代的要請が存在したのである。ただし、自動織機はスイッチを押せば自動運転ができるものではない。数多くの準備機が必要とされる。これら諸機械の開発、生産のみならず多機種にわたる部品の製造を含めて、繊維機械産業は極めて裾野が広い産業なのである。
 このように、繊維機械を主とする産業用機械の広範囲な技術蓄積が、楽器、木工機械、軍需品、工作機械の生産を可能にしたのであった。また、これらの部品生産および組立技術が戦後の輸送機器産業の形成と発展を駆動したのである。

参考文献
浜松商工会議所遠州機械金属工業発展史編集委員会編(1971)『遠州機械金属工業発展史』 浜松商工会議所
藤田泰正(2009)「工業発展と技術の地下水脈」『名古屋学院大学論集』Vol.45 No.4 PP.223
  -239

 

 第72回 2010年8月22日(日) 9:30~12:00

 発表者 : 神村 秀和、冨田 晋司、藤田泰正

  スウェーデンはなぜ強いのか  神村 秀和 

 ◆エランデル政権(1946~1969)  社会民主党

・「強い社会」をスローガンに経済成長路線、福祉国家実現の前に経済力

・労働力確保のため移民の受け入れ、女性の就業

  女性の就業率   1946年・・10.9%  →  1970年・・48.7%

   離婚率の増加、自殺者の増加、若年層の犯罪率の増加、家族の崩壊

◆「国民の家」思想
・女性の権利の擁護と出産の経済的支援が今日の福祉国家スウェーデンの出発点

・子供の教育も個々の家族ではなく、国が担うべき仕事

・福祉政策を次々と実行  1960年代から増税政策に転換(スウェーデンモデル)

政治の情報公開の徹底、公的なオンブズマン制度

国会議員の多くはもともとの本業を続けている。(国会議員は職業ではなく、社会奉仕)

◆企業の社会的責任(CSR) 国民一人一人の個性を尊重し、すべての国民を顧客にする

H&M・・多様性、品質、低価格

イケア・・デザイン性、機能性、安さ 部品を選んで自分で組立てる→個性の発揮、徹底した個性の尊重

◆福祉政策と年金改革

・1980年代後半・・株、不動産の資産バブル
・1991~93年・・バブル崩壊、3年連続のマイナス成長、財政赤字→国債発行残高の増加

少子高齢化→90年代後半からは出生率上昇傾向に
危機が訪れたときに、国民が素早く危機感を持つことができるのは、国民の政府に対する信頼感。→「スウェーデンモデル」の再構築へ「持続可能性」がキーワード

・年金制度改革
・基礎年金の廃止→所得比例部分のみに(個人の支払った保険料がベース)
・マクロ経済スライド制→経済の悪化や、少子高齢化でも絶対に破綻しない
・受給開始時期も自由に設定できる→高齢者の労働意欲を喚起
◆大きな政府
・大きな政府だが、市場原理をうまく活用。 社会福祉を成長の基盤として捉えている。
・市場経済と計画経済とを併せ持つ混合経済
・ボルボ、サーブ等、大企業の経営破綻に際しても一切の救済をしなかった。
・低生産部門のリストラを容認

◆福祉が経済成長に及ぼすプラスとマイナス
・プラス
・新産業の創出、(医療・介護・福祉部門)
・雇用の流動化(低生産性部門から高生産性部門へ)リストラしやすい
・消費増大効果(将来の不安を軽減)

・マイナス
・モラルハザードを誘引(労働意欲の低下)

◆日本が学ぶべきもの
・社会保障制度や政治への信頼という無形の社会資本
政府と国民とが共有できる理念とヴィジョン。場当たり的で全体に整合性のない福祉政策では国民の信頼を得られない。

・国民の信頼が得られれば大胆な政策を実行できる。舵をきりやすい
・制度の持続可能性

 

  クリエイティブシステム見学   藤田 泰正 

 

  コミュニティFM(CFM)研究2   冨田 晋司  

 

 第71回 2010年7月18日(日) 9:30~12:00

 発表者 : 浅沼 宏和、冨田 晋司

  BSCの「戦略マップ」の改良に関する試案  浅沼 宏和 

 BSCの「戦略マップ」の改良に関する試案

-Porterの「活動システム図」及びDruckerの「戦略計画」との融合-

  BSCがわが国の実務に導入され約10年が経過し、現在では多くの企業・行政機関・医療機関等においても広範に利用されるようになっている。BSCは財務情報一辺倒から非財務情報までも含めた新しい経営管理をもたらした点で大きな貢献をもたらしたが、他方では多くの問題点も指摘されている。
中でも4つの視点の因果関係の恣意性について取り上げ、加護野他(2004)、根来(2004)によるPorterの「活動システム」との融合案を検討する。そして新たな改良案として、より実践的な活用を目論んでDrukerの「戦略計画」の作成のために戦略マップを活用する新しい方法を提起する。Drukerは企業の成果はマーケティングとイノベーションからもたらされると主張しており、戦略マップをその主張に合わせて改良することで中小企業レベルにおいてより容易なBSCの導入方法を提起する。

 今回の発表のポイントとなるのはBSCの戦略マップの財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点をドラッカー経営の視点から、戦略要因、戦略プロセス、ヒトと組織能力、財務条件という4つの視点に組み替えたことにある。

 それをミッション・ビジョン、予算、ISOとの関係を示した図で表すと以下の通りになる。

 このフレームワークについてはISOマネジメント2010年8月号において発表している。

 

  コミュニティFM(CFM)研究1   冨田 晋司